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美髪を作る新常識!「筋膜リリース」で頭皮ケア

2017.08.04

最近話題の肩こりや腰痛をケアできる「筋膜リリース」ストレッチ。実は頭皮も筋膜をリリースすることで美髪効果が期待できるとか。美髪アドバイザー田村マナさんに、頭皮の筋膜リリースをレクチャーして頂きました。

 

 

話題の筋膜リリースって一体何?

最近話題になっているけれど、よく分からない筋膜リリース。筋膜とは一体何なのでしょうか?

「筋膜とは、その名の通り筋肉を包む膜のこと。筋肉や骨は全て筋膜を通じて全身でつながっています。ソーセージに例えるとミートが筋肉、皮が筋膜。または、ウェットスーツをイメージしても分かりやすいと思います」(田村さん)。

ウェットスーツが固かったり縮んでいたりすると着心地が悪いと思うのですが、実際筋膜が固いと筋肉にどのように影響があるのでしょうか?

「筋肉は筋肉自体が収縮して活動しますが、筋膜は自ら活動することはありません。筋膜は正常ならば適度な弾力や伸縮性をもち、筋肉や体の動きに応じて伸びたり縮んだりしながら組織を支えます。ですが、運動不足や加齢によって筋肉が衰えている人は筋肉の動きが少ないため、筋膜の伸び縮みが行われずに固くなってしまいます。肩凝りもその一例ですね。筋膜が固いとその下にある筋肉もさらに固くなり、悪循環に陥ってしまうんです」(田村さん)。

筋膜自体は動かないからこそ、ストレッチで筋膜をリリースしてあげる必要があるんですね!

「筋肉がスムーズに動くためには、筋膜の滑りの良さが大切です。筋膜を柔らかくすることで滑りをよくして解きほぐすストレッチ、つまりそれが筋膜リリースとなります」(田村さん)。

 

 

頭皮の筋膜が凝っていないかチェック!

田村さんによると、頭皮には3つの筋肉があるそう。おでこの上にある前頭筋(眉毛を動かす、額をあげる筋肉で目が疲れると凝る)。耳周りにある側頭筋(下あごを閉じる筋肉。嚙み締めることが深く影響し、歯の食いしばりが多いと凝る)。首上にある後頭筋(首の後ろの筋肉と共に頭を支えたり動かしたりしていて同じ姿勢を長時間していると凝る)。これらの筋肉を包むように筋膜は存在します。

「まずは3つの筋肉(前頭筋、側頭筋、後頭筋)をやさしく触ったり、手を触れたりして上下左右に動かしてみましょう。凝りのない健康な状態の頭皮は、柔らかくてある程度弾力性があり、もむと指に合わせて動きます。スムーズに動くようでしたら問題ありませんが、固いと感じたら筋肉と筋膜が凝り固まっているサインかもしれません」(田村さん)。

 

 

頭皮が凝ると髪や肌にもダメージが!

そもそも、どうして頭皮は凝り固まってしまうのでしょうか?

「デスクワークやスマホを見るなど長時間同じ姿勢でいると、筋肉は収縮ばかりをして伸ばすことをしないので、血流が悪くなり肩や首が凝ってしまいます。肩凝りを引き起こす筋肉は頭とつながっているので、肩や首が凝るとその結果頭皮までも凝ってしまいます。また、冷え症の方は、血液やリンパの循環が悪くなることで頭皮が固くなることもあります。他にも加齢や紫外線などで肌の弾力がなくなることが原因になることもあります」(田村さん)。

頭皮が凝って固くなると血管の中の血液の通るスペースが狭くなるため、運ばれる血液の量が減ってしまいます。すると、美髪を育む毛母細胞に栄養や酸素が充分供給されなくなるため細胞が活発に分裂されなくなり、毛の成長が止まって薄毛になったり、栄養不足の髪しか生えてこなかったりするそうです。

「頭皮の凝りは、実は、髪だけでなく肌にも悪影響を及ぼします。頭皮の筋肉と顔の筋肉はつながっていて、とくに側頭筋の頭皮の凝りは、目尻や頬のたるみに直結しています。また、頭皮の筋肉がたるむと同時に毛穴もゆるんでしまうため、顔全体が老けた印象に変わります」(田村さん)。

髪と肌に悪影響を与える頭皮の凝り。しっかりほぐして、健やかな髪と肌を手に入れましょう!

凝りをほぐす頭皮の筋膜リリース

基本的に3つの筋肉の周りにある筋膜をほぐしていくことが、頭皮の筋膜リリースのポイント。特にツールを使用しなくても、手のマッサージで充分柔らかくなります。オイルなども必要ないので、お風呂上がりはもちろんオフィスで気分転換を兼ねて行うこともできます。

<準備編>
筋膜リリースを始める前に、頭頂部と首から下の血のめぐりを良くしておきましょう。身体全体の血行がアップしてより効果的です。

まずは小指から順番に指を折り曲げたり、手首を振ったりして、手全体の力を抜いてリラックス。指の関節をやわらかくしておきます。次に息を吐きながら首を左回し、右回しします。そして左右交互に倒して首の横をストレッチします。後はイラストのように右手で首の付け根の左側をつかんで、右に引っ張りながら、首は手と逆に左へ倒します。反対側も同様に。首の凝りをほぐすことで、血行を促します。

 

 

<実践編>
3つの筋肉を覆う筋膜を意識しながら、頭皮をゆらして動かすようなイメージです。爪を立てると頭皮を傷つけてしまうので、親指を除く4本の指の第一関節(指の腹)で押すように行いましょう。

1:首筋を下から上へ

4本の指を揃えて、首の後ろの付け根から上へ3回さすります。次に耳下のくぼみ部分に指を当て、円を描くようにくるくると外回りにマッサージ。

 

 

2:耳の上から頭皮を引き上げ

耳を手のひらで覆うようにし、4本の指は軽く開いておきます。そこから指の腹を頭皮に密着させて、指を滑らせるのではなく頭皮だけを上に引き上げるようなイメージで行います。まず耳周り、次に2センチくらい上(前回引き上げた時の指の位置)と各3回ずつ行いながら上に移動していきましょう。

 

 

3:そのまま頭頂部まで引き上げ

そのまま少しずつ上に移動して、頭頂部まで同様に頭皮を引き上げていきます。

 

 

4:最後は生え際から頭頂部へ

髪の生え際に4本の指を揃え、頭頂部に向かって徐々に指の位置をずらしながら頭皮を押し上げます。これを3回行います。

 

 

難しく考えずに心地よいポイントをほぐすことで、終わった後は頭皮の凝りだけでなく身体がぽかぽかに! 頭皮の筋膜リリースで、美髪と美肌を手に入れましょう。

<取材協力>田村マナさん

美髪アドバイザー、毛髪診断士、スカルプケアリスト。国際線のCA時代に、機内の過酷な環境による髪のトラブルに悩み、同僚とオリジナル化粧品を開発して悩みを克服。その経験を元に、現在は美容メソッドの情報発信や商品開発など幅広く活動中。

 

 

 

Text:Miki Umezu
Illustration:Yuko Sekine