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なぜあんなに薄いの?そして皮脂がとれるの?意外と奥深い「あぶらとり紙」のヒミツ

2015.02.20

女性なら誰でも使ったことがある「あぶらとり紙」。最近ではメンズ用も登場しています。
さらにネットの口コミなどを見てみると、外国人がお土産用に大量買いすることもあるとか。
日本オリジナルなこの美容アイテム。身近すぎて気軽に使っていますが、実はすごいヒミツがいっぱいです。

あぶらとり紙は、金箔を作る工程で生まれた「副産物」!

「あぶらとり紙」を最初に使い始めたのは、京都の舞妓さんたち。でも、当時(明治時代後期)は製品として流通していたわけではなく、「ねぇねぇ知ってる?これを肌にあてると顔のテカリが取れるのよ!」という感じで、とあるアイテムの使用法が口コミで広がっていったのです。
そのアイテムとは、「ふるや紙」。金箔を叩いて薄く伸ばす工程で使われる特殊な和紙のことです。そうして副産物的に出来上がった物を、今日では「あぶらとり紙」として生産するようになったのです。
しかし、ここで疑問が生じます。なぜ、「ふるや紙」は、皮脂を吸着できるのでしょうか?

その秘密を解くカギは、金箔の作り方にあります。

「繊維が長く、密度が高い」が、皮脂を吸着するポイント

せんい密度の比較。右は打圧後/金箔打紙製法、左は打圧前(画像提供:かなざわカタニ)

あの薄い金箔を作り上げるために、金箔は上下を紙で挟まれた状態で丹念に打ち延ばされています。
しかし、金箔の品質を保つためには、上下を挟む紙は、脂分をしっかり吸収してくれる素材である必要があるそう。そこで抜擢されたのが和紙です。

和紙は洋紙に比べて繊維が長く密度が高いので、もともと吸脂力に優れています。
そしてその和紙が、丹念に打ち延ばされることによって、繊維が打ち砕かれ、密度が非常に高くなります。
繊維の1本1本が脂を吸いやすく、高密度になるんですから、1枚でたっぷり皮脂を吸着できるのも納得です。

数トンの圧力を数万回加えて、紙を打ち延ばす

打圧している様子(画像提供:かなざわカタニ)

現在は、この「ふるや紙」が出来上がる工程に着目した「金箔打紙製法」によって、あぶらとり紙が作られています。
(写真のように、束ねた和紙を細い金属のハンマーで隅々まで打ち延ばすことで紙の繊維を砕きます。取材にご協力いただいた「かなざわカタニ」では、数トンもの圧力を数万回加えて、繊維を最高密度まで押しつぶすそう)。

しかし、これができるのは、箔打ち機械を持っている金箔メーカーのみ。普通の機械では、金を1万分の1~2ミリまで薄く延ばすことはできないそう。
そのため金箔打紙製法のあぶらとり紙のほとんどは、全国の金箔製造の約98%を占める金沢で作られているといわれています。残念ながら、ごくまれに打圧していないにも関わらず「金箔打紙製法」と表示しているものもあるそうなので、注意が必要です!

<本物の見分け方はコチラをチェック!>

日常使いなら、お手頃価格のパルプやフイルムタイプも人気

「そんなにスゴイあぶら取り紙なら欲しい!」......というところですが、「金箔打紙製法」のあぶらとり紙は、とても貴重な品。手間がかかり、大量生産できないので価格もやや高めです。
今回取材にご協力いただいた、かなざわカタニの「ふるや3冊セット」は2,913円!ちょっとお高いですかね~。

でも、感動するほど皮脂がとれるとウワサなので、一度は試してみたいですよね。一方、デイリーに使い倒すなら、パルプでできているものやフィルムタイプなどが便利。お手頃価格で余分な皮脂をきちんと吸着できます。

こすってはダメ!あぶらとり紙の正しい使い方

肌にそっと押しあてるだけで、皮脂はきちんと取れます。むしろ、「そっと押し当てる」ことが、「余分な皮脂だけ」を取るヒケツ。ごしごしこすったり、一度にたくさん使ったりすると、肌にとって必要な皮脂も奪ってしまう恐れがあるので気を付けましょう。
とはいえ、あぶらとり紙は洗顔のように脂を洗い落とすものではないので、あまり気にし過ぎなくても大丈夫。あくまでも、テカリの原因となっている余分な皮脂を吸着するためのアイテムなので、気軽に使って、サラサラ肌をキープしましょう!

取材協力: かなざわカタニ http://www.k-katani.com/