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優美な女性を目指して!ほのかに香りたつ「におい袋」の使い方

2017.02.07

日本古来より伝わるお香のひとつであるにおい袋。香りの小物として、また魔除けや防虫剤として、あらゆるシーンで使われているにおい袋の歴史や使い方を再発見しませんか。

香源オリジナル匂ひ袋 華結び

におい袋とは、日本古来から伝わる、香料が入った袋のこと。常温で香りを楽しむことができ、クローゼットで衣服の芳香剤や防虫剤として使用したり、バッグに忍ばせてほんのり香らせたり、様々な用途があります。

今回は、昭和12年創業、たくさんのメーカーが揃うお香のセレクトショップ「香源銀座本店」を訪れ、におい袋の歴史や魅力についてお話を伺ってきました。

古くは奈良時代から!日本の暮らしに寄り添ってきたにおい袋の歴史

香源オリジナル匂ひ袋 華結び
香源オリジナル匂ひ袋 華結び 各¥1200(税別)

観光名所などのお土産品としても私たちになじみ深いにおい袋ですが、古くは奈良時代から使われていたそう。

「飛鳥時代、仏教の伝来とともに"香"の文化が日本に広まりました。火を使わず常温で香るにおい袋は、奈良時代の昔から日本の暮らしに取り入れられてきました。

におい袋のもっとも古いものは、香料に丁子(ちょうじ)を使用したいわゆる防虫香として正倉院に収められています。また、香りの強いものは魔除けや厄除けとして使用されたとも聞いています。

鎌倉時代に移ると武士が目上の方に失礼のないようにと、香りの"身だしなみ"としてにおい袋を用いるようになったと言われています。

江戸時代中期になるとにおい袋は"誰が袖(たがそで)"と呼ばれ、袂に入れる香りとして大衆にも浸透していったようです。」(香源 代表取締役社長 菊谷勝彦さん)

信仰を支える"香"は時代の流れとともにさまざまに形や用途を変化させて行きましたが、におい袋もまた防虫から防臭、さらには香りを楽しむ実用的なアイテムとして日本の生活に欠かせない存在となっていったのですね。

常温で奥ゆかしい、日本人が好む優しくて落ち着く香調

香源オリジナルにほい袋
におい袋体験キット。香源オリジナルにほい袋 右からアクア、グリーンノート 各¥2500(税別)巾着型 各¥200(税別)

京都などでお寺を訪れると、お香の香りが立ち込めていてほっと安らぐ感覚があります。におい袋の香りもそれに近い印象の優しい香りですね。

「お香の香りのもとになる原料は、"沈香"や"白檀"といった貴重な天然香木と、漢方薬やスパイスとしても使われる"桂皮"や"丁子"などの天然香料があります。お線香には粉末、焼香や匂い袋にはきざみという形状が用いられ、数種類をブレンドして作られるのです。

それぞれの香料の特徴によって、甘い香り、辛めの香り、防虫効果のある香りなど組み合わせは無限に生まれますが、どの組み合わせでも奥ゆかしく優しいイメージといいますか、香水でいえばベースノートとなるような、ウッディで奥行きのある香りが特徴です。

気軽に調合を楽しめるキットも用意がありますし、におい袋の制作体験も行っておりますので、香原料の話など聞きながら自分好みのオリジナルのにおい袋を作ってみるのも一興ですよ。」(菊谷さん)

お香の話を伺いながら自分だけのにおい袋をつくる体験教室は、自分磨きの素敵な時間となりそうですね。

男性にも人気の名刺香など。におい袋のバリエーション

日本香堂 名刺香
白檀や沈香などお香の伝統的な香りから薔薇や白桃など現代風アレンジも。女性に人気な香りは薔薇だとか。日本香堂 名刺香 6枚入り 各¥1000(税別)

火を使わず常温で香るにおい袋は最も気軽に楽しめるお香の種類。
わたしたちがよく知っている華やかな巾着型だけでなく、いろいろなアイテムがあるそうです。

「冒頭にお話しした魔除けとしても使われた"訶梨勒(かりろく)"や"久寿玉"は室内香として使われるにおい袋。防虫香は衣服用だけでなく、掛け軸や書画を守るためのものも存在し重宝されています。また、手紙に忍ばせる文香も風雅な香りの小物としておすすめです。
手紙をしたためる機会の減った現代ですが、そんな時代だからこそ印象深さもことさら演出できるというもの。丁寧な直筆の手紙にゆかしい香りの文香が添えられていたら、と想像するだけでも素敵ですよね。 名刺香は男性が求めていかれることも多く、当店でも人気のアイテムです。香りのバリエーションも豊富で、手軽に取り入れられる印象アップアイテムとしてギフトにも好適ですよ。」(菊谷さん)


かつて平安時代の貴族は雅びな贈り物としてお香を贈りあったとか。お香はプレゼントとしても価値の高いものだったそうです。雅やかな習慣、見習いたいですね。

「いいにおいのする人」キレイの印象を香りで残す

タンスに入れたり、着物の袂に落としたり、洋服の時にはポケットに忍ばせたり、バッグに付けたりと生活の様々なシーンで香りと彩りを楽しめるにおい袋。

すれ違う瞬間や封を解いたとき、ほのかに漂う香りは、華やかな香水とはひと味違う、しとやかで気品のある香り。日本の歴史ある香文化に根差した、奥行きと落ち着きを感じさせる香りは、日本人であることの誇りを思い出させてくれます。

「触・聴・視・臭・味の五感にもあるように、香りの感覚は人にとって大切なもの。懐かしい家のにおいや好きな人の香りといったように、香りをきっかけに記憶を呼び起こしたりすることもあります。それほど香りは印象を大きく左右するものなんですね。

また、香道をはじめ、お香の世界は高価な嗜好品として敷居が高いと感じる人も多い中、におい袋は初めての方でもとっつきやすく、絶えず携行することでいつでもお香を身近に感じることができます。新しい世界の扉を開いて知識を得ることは誰しもわくわくするものです。におい袋をきっかけに伝統の香文化にも興味を持っていただけると嬉しいですね。」(菊谷さん)

どこかで同じ香りをかいだとき、素敵な人の事を思い出したりすることありますよね。キレイの印象を残り香に託す。古くて新しい日本の伝統の香りを、におい袋から試してみてはいかが。

<取材協力> 香源 銀座本店

におい袋制作体験はおよそ60分¥3000(税別)
※お申し込みは店舗までお問い合わせください

香源 銀座本店

Text:Hiroko Nakayama