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部屋が華やかになり季節を身近に感じる、一輪挿しの飾り方

2017.03.03
ラナンキュラス

部屋にお花があると、慌ただしく疲れた日々にうるおいを与えてくれて、生活が豊かになる感覚があります。花や植物には、見る人を癒してくれる効果がありますよね。でも、花束をセンスよく飾るのは難しいと思っていませんか? 実は、簡単にできるのです。気軽に生けられる一輪挿しの飾り方と、花のある暮らしの楽しみ方の極意を、西荻窪のフラワーショップ「枝屋」の細沼浩さんに教えていただきました。

 

 

花瓶に生けた後も成長する、花の生命を愛おしむ

チューリップ
チューリップ。葉も可愛いので水につかる部分だけ整理して。同系色の花瓶を選べばよりスタイリッシュ。

―春の花といえばチューリップもそのひとつですが、家で生けるとすぐにクタッとなってがっかりした記憶があります。生け方のコツがありますか?

「チューリップは花首のあたりに"成長点"があるので、花瓶に生けた後もそこから茎が伸びて一見くたっとしてしまうのです。ですが、その後はお日様に向かってさらに首を伸ばしていく。そこがチューリップの面白さ、良さなんです。その自然な生命力を楽しみながら生けてみてください。

チューリップのように茎の長い花は高さのある花器で伸びやかに生けるとバランスが良いです。花器でなくともワインの空き瓶などでもいいと思います。葉っぱはバランスを見て取ってもいいし、そのまま残すのもナチュラルで好きですね」(細沼さん)。

 

 

ルールは気にしない、植物のありのままの姿を丸ごと楽しむ

―花と花器のバランスについて教えて下さい。

「個人で花を楽しむ時には、特別なルールなど気にせず、自分の感性を頼りに好きなように飾ってみて良いと思います。強いていうなら植物の特性に合わせてみては。例えばこのチュウココリーネは、葱のように細長くしなやかな茎と星型の花が特徴のユリ科の花。茎の細さと長さを生かして弧を描くように生けるのもいいし、花だけを浅いボウルに浮かべるのも可憐ですよね」(細沼さん)。

 

 

チュウココリーネ
チュウココリーネは、水揚げの良い花だから長い茎を生かした飾り方も可能。時間の経過を見ながら生け方を変えるのも良いアイデアです。甘い芳香のある花びらを最後まで楽しんで。
チュウココリーネ

 

 

「自分のために花を選ぶなら、お花屋さんで好きだなあと思うところはどこなのか、どう飾りたいのかをイメージしてみてください。この場所にはこの花、といったマッチングにもルールはありませんが、花の姿が一番生きる空間はどこかしらと想像力を膨らませたり、置く場所を試行錯誤したりする作業まで含めて楽しんでもらいたいですね」(細沼さん)。

 

 

一足早く訪れる季節を感じながら暮らす

エンドウ豆の花
クルクルっとしたつるが可愛らしいエンドウ豆の花。ナチュラルな雰囲気を生かして枝ぶりをそのままコップにさしてキッチンやテーブルに。

「花屋の店先には数ヶ月前から季節の花が並びます。一足早く季節の移ろいを感じることができる場所のひとつなんですよ。一輪の花を持ち帰るだけで"ああ、もう春が来るんだなあ"と新しい季節を意識しながら暮らすことができる。季節の変化に敏感になり、余裕を持って生活を楽しむ、というのも花や植物が与えてくれるうるおいのひとつと言えるでしょう。」

―恥ずかしいんですが、実は植物にあまり詳しくないので旬の花というのがよくわからなくて。

「恥ずかしいことなんてないですよ。そんな時は、ぜひ花のプロに声をかけて聞いてください。季節の花の種類はもちろん、水揚げの仕方やいい花の選び方、その植物の特性なんかも教えてくれるはずです。旬を迎えた元気な花を選んで、できるだけ長く楽しんでいただきたいですから」(細沼さん)。

 

 

たった一輪でも、心が華やぎうるおう花の力

ラナンキュラス
堅く巻いた蕾も、極薄の花びらが開いた大輪の姿も美しい薄紅のラナンキュラスは女性に人気の花。

「バラやラナンキュラスなどの主役級の大輪の花は1本でも絵になるので一輪挿しにオススメです。短く水切りして花首を花器の淵にかけるようにして生けるとバランスがいいですね。葉っぱは切り落として全体を見ながら添えるように挿しましょう。

ラナンキュラスはできるだけ大きな蕾を選んで、薄皮のような花びらが少しずつ開いていく様を楽しんでください。長く楽しめるし、華やかな魅力がある花なのでよく目につく場所に飾るといいと思います」(細沼さん)。

―一輪でも迫力がありますね。グラデーションの色合いが上品で、女子力が上がる気がします。ドレッサーやサニタリーなどの鏡周りに置くのも良さそうですね。

「切り花はすぐ枯れちゃうからもったいないとおっしゃる方もいらっしゃいますが、短い生命だからこそ美しいという考え方もありますよね。限られた時間を楽しむ、今という瞬間を大切にする、というのも花や植物とうまく付き合うコツのようなものです。花を見て"いいなあ、綺麗だな"と感じる経験を重ねると、花が暮らしに必要なものとなる。花を愛でる心を育てるのは豪華な花束でなくても、一輪のバラや野の花でも可能ですから」(細沼さん)。

今は花を飾る習慣はなくても「花が好き」という女性は多いはず。まずは一輪挿しから花のある暮らしを取り入れて見てはいかがですか?

 

 

<取材協力>枝屋

公式ページ:http://www.edaya.net/
worshop space「ハナと枝」:http://www.hanatoeda.com

 

 

 

Text:Hiroko Nakayama
Photo:Mina Imai