Skincare & Bodycare スキンケア・ボディケア

化粧品の成分を知りつくした研究者が教える!透明感あふれるモチ肌になる方法

2017.02.28
コーセー尾之上聡さん

コーセーに入社して23年間、研究者として様々な成分を生み出してきた尾之上聡さん。「モチ肌は日本女性の財産」と言う尾之上さんに、スキンケアのポイントや注目の成分など、美肌になるための方法をお聞きします!

 

 

数えきれないほどの肌を見てきた研究者が思う「日本人の肌の特徴」

―――これまで、たくさんの女性の肌を調べてきたそうですね?

尾之上さん:はい。開発中の成分の効果を測定するために、その成分を配合した製剤を肌に塗布する前と後で、肌の状態をチェックするんです。水分量やキメの細かさ、シミの状態など項目は多岐にわたり、ほとんど毎日、何かしらの測定をしています。測定は素肌で行うので、被験者である女性の素肌を数えきれないほど目にしながら、科学的データを収集・分析してきました。

 

 

コーセー尾之上聡さん
水分量やしみの状態を測定できる肌診断マシン。約20年前に開発されたもので、肌診断マシンの先駆けといえる。現在は、主に来客に対するデモンストレーション用に設置されている。

―――すごいですね。日本人女性の肌の特徴を教えてください。

尾之上さん:やはり、キメが細かくて透明感がありますね。アジアの中でも、日本人の肌の美しさは高いレベルにあると思います。他国の話ではありますが、都会に住んでいる方の肌は日本人同様美しいことが多いのですが、ちょっと田舎に行くとくすみがちな肌の方が多く見られます。そこから推察すると、美肌かどうかの分かれ道は、日頃のスキンケアにあると思っています。

 

 

コーセー
肌の測定は、この奥にある温度や湿度が厳密にコントロールされた特別な部屋で行われる。先ほどの肌診断マシンよりも、さらに精密なマシンを使って細かいデータを測定するそう。

―――もともと、肌が持っている美肌力のようなものよりも、日頃のスキンケアの方が大切だということでしょうか?

尾之上さん:もちろん、遺伝的な要素もありますが、日頃のスキンケアは非常に大切です。たとえば、以前、肌のテストを受けていただくために、ふだんはフルラインを使っている方に対して、化粧水しか使わないような試験設計をしたことがあります。そうすると、肌がボロボロになってしまいました。申し訳ない気持ちでしたが、「やっぱり毎日のスキンケアが大事なんだ」と実感しています。

―――「若いうちは、お手入れのしすぎが肌を甘やかすことになるので良くない」という考えも世の中にはあるようです。どう思われますか?

尾之上さん:研究者の立場から言わせていただくと、まだ若いと感じていてもしっかりお手入れをしていただくことをおすすめします。というのも、意外と早く肌は成熟し、その後はエイジング段階に入るためです。肌がトラブルを起こさないように化粧品で予防していただくことで、年齢を重ねてからも美しい肌をキープできます。

 

 

コーセー尾之上聡さん
ここ17年間は薬剤効能研究グループに所属し、成分が肌にもたらす効果を調べている尾之上さん。「年齢を重ねても、肌が美しい人をたくさん見てきました。被験者には必ず、ふだんのお手入れ法をヒアリングするのですが、肌が美しい人は必ず丁寧なお手入れをされています」(尾之上さん)

―――スキンケアには洗顔や化粧水、乳液などたくさんのステップがありますが、特に大切なものはありますか?

尾之上さん:強いて挙げるなら、クレンジングと保湿ですね。肌は、自分で汚れを落とすことができません。特に日中肌を守っているメイク料や皮脂汚れをきちんと落としてあげる必要があります。保湿は、テクスチャーのお好みがあると思うので、その点も考慮しながら継続しやすいものを使われるといいと思います。

 

 

水分をたっぷり蓄えられる肌を、化粧品で作り出す

―――尾之上さんは「米肌」の開発にも携わられたんですよね。大変だったことはありますか?

尾之上さん:米肌の商品開発コンセプトは、「ライスパワーNo.11」を使って、水分保持能を改善※させるというものでした。水分保持能というのは、肌が自ら水分を蓄えようとする能力のことなので、水分を一時的に補う保湿とは異なります。そのため、効能をテストする際も、塗布直後に肌の水分量を測定するだけではなく、しばらくたってから、肌にどれくらい水分が蓄えられているかをチェックする必要がありました。チェックする項目が一般的な化粧品よりも多かったので、その点では苦労したと思います。

―――水分保持能に着目されたきっかけを教えてください。

尾之上さん:実は「ライスパワーNo.11」は、安政元年に創業した「勇心酒造」という造り酒屋が開発した成分なのですが、勇心さんから「水分保持能を改善する成分を、30年かけて開発しました!」とご案内いただいたんです。

―――研究者の方の反応はいかがでしたか?

尾之上さん:当初は、研究者であっても「水分保持能を改善? 保湿とどこが違うの?」という見方をする者もいました。けれども、成分の効能を調べていくにつれて、「これはスゴイ成分だ!」と、徐々にみんなが色めきだしました。

―――水分保持能の改善以外にも、何か効果を発見されたのでしょうか?

尾之上さん:はい。まず「肌の水分量を増やす」ということ。水分量が増えるので、乾燥した肌がしっとりうるおうようになります。次に「肌荒れを防止する」ということ。肌を健やかな状態に整えることで、健康でなめらかな肌を保ちます。そして「角層細胞の状態を健やかに保つ」ということ。未熟な角層細胞は充分に水分を蓄えていませんが、健やかな角層細胞は、うるおいをしっかりかかえた理想的な肌状態になるということです。これらの効果を、2年間の検証を経て確認することができました。

 

 

コーセー尾之上聡さん
「製品に配合する新成分は、数百もの素材の中から、効果や安全性のチェックを行い、厳選を重ねて最終的には年間、十種類程度にまで絞り込まれます。」(尾之上さん)

―――肌がうるおっていると、キメが整うし、透明感も増しますよね。

尾之上さん:そうですね。今では、研究者の間でも米肌愛用率が高いんですよ。ひげそりで肌を傷めやすい男性社員にも人気があります。これは余談ですが、以前は、化粧品未経験の被験者が必要な場合、社内の男性に頼むこともありました。でも最近は「すみません、米肌を使ってるんで......」と断られることが多く、被験者探しに苦労しています(笑)。

 

 

可能性は無限!米が持つ美容パワー

―――「ライスパワーNo.11」は米を使った成分ですが、米の成分というのは肌にいいのでしょうか?

尾之上さん:間違いなく言えるのは、米には無限の可能性があるということです。私はふだん、植物エキスだけでも数百種類取り扱っているのですが、秘境の植物も、商業用に採取することが禁じられるケースが増えてきています。でも、米は違います。まず、日本は米文化なので資源が豊富で、研究材料には事欠きません。そして、「米を使った成分」といっても、白米そのものを粉砕したり、米ぬかを使ったり、さらには発酵させたり、成分を作り出す方法がたくさんあります。その分、様々な効果が期待できると思います。

―――昔から「米ぬかで肌を磨くと、肌が白くなる」とも言われていますし、米のパワーってすごいんですね。

尾之上さん:そうですね。米には、たんぱく質やビタミン、カルシウム、ミネラルなどの栄養素がたっぷり含まれています。米肌には、「ライスパワーNo.11」をはじめ、「米ぬか・大豆発酵液」や「米ぬか酵素分解エキス」「米発酵液」など、多くの米の成分が活用されています。透明感あふれるモチ肌は、日本女性が世界に誇れるものだと思うので、ぜひ、米肌で米のパワーをご体感いただき、美しい肌を育んでいただきたいです。


※皮膚の水分保持能を改善する(医薬部外品の効能として)
Photo:Kunio Kaneda