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スキンケアしても顔色がよくならない!それって貧血かも

2017.08.22

毎日忙しく、ついつい食生活が乱れたり、睡眠不足になったり。そんな時、「肌色の悪さ」が気になったことはありませんか? その原因ともなる「貧血」について、産婦人科医の窪 麻由美先生に伺いました。

 

 

「血色が悪い」=体内が酸素不足の状態かも

肌色の良し悪しやツヤを表現するのに、血色という言葉を使いますよね。血色が悪いと、くすんで見えたり、メイクが楽しめなかったり、女性にとってはうれしくないことばかり。血色が悪くなる原因は何なのでしょうか?

「食生活の乱れや、栄養不足、睡眠不足、ストレス、女性ホルモンバランスの不具合など、血色が悪くなる原因はいくつも絡み合っています。その中の一つに貧血があります。食生活の乱れなどは自覚しやすいものですが、貧血はなかなか自覚しにくい。だから厄介なんです」と産婦人科医の窪 麻由美先生は話します。

今回は、その「貧血」にフォーカスをあててみましょう。そもそも、なぜ貧血になってしまうのでしょうか?

「貧血にはいくつか種類があり、そのうちの約9割を占めるのが"鉄欠乏性貧血"といわれるものです。これはヘモグロビンを形成している鉄分が不足すると発症します。詳しく解説すると、血液中にある赤血球の中には、体の各組織に酸素を届けるヘモグロビンという物質が存在します。そのヘモグロビンは鉄を材料に作られています。そのため、鉄が不足すると体内が酸欠状態に陥り、貧血になってしまうのです」(窪先生)。

月経中は血が失われてしまうので、特に貧血になりやすいそう。他にも無理なダイエットをしている人や、偏食、睡眠不足、朝食を摂らない、という人も栄養や鉄分不足が原因で貧血になりやすいそうなので注意が必要です。

顔色の悪さや疲れだけじゃない!イライラ、食欲低下も貧血が原因!?

貧血によって引き起こされる症状は、実は「どこが酸素不足になるか」によって異なるそう。

 

 

<筋肉が酸欠になった場合>
疲れやすい
だるい

<脳が酸欠になった場合>
立ちくらみ
めまい
失神
頭痛

<心臓が酸欠になった場合>
動悸
息切れ

「上記以外にも、血色が悪い、イライラする、抑うつ症状、吐き気、食欲低下、爪の変形なども貧血の特徴として挙げられます。運動を過度にした直後は、筋肉が酸欠状態になりやすかったり、デスクワークを長時間続けた場合には脳が酸欠状態になりやすかったりします」(窪先生)。

「大切なのはどんな症状が出るかではなく、その症状の程度です」と話す窪先生。例えば「息切れしやすい」という症状を見ても、5、6段の階段で息切れするようでは重度。1日起き上がれないほどの疲れは、さらに重度の貧血と判断できます。

ちなみに鉄欠乏性貧血かどうかは、血液検査の数値を見ればわかるそう。一般的な健康診断の結果の「ヘモグロビン濃度」をチェックしてみて。女性では血液12.0g/dl以下だと、貧血だと診断されます。

血色いい肌をめざす!「貧血」改善には鉄分などのミネラル補給を

では、貧血を予防するためには、どうすればいいのでしょうか?

「大事なのは、何と言ってもバランスの摂れた食事です」(窪先生)。特に鉄分をはじめとするミネラルを補給するのが大切だそう。窪先生のおすすめする食材がこちら。

 

 

<鉄分の多い食べ物>
肉類:豚肉・鶏肉・牛肉など肉類のレバーや赤身
魚介類:あさり・牡蠣・しじみなどの貝類、イワシ・煮干し・青魚
野菜:パセリ・ひじき・青のり・ほうれん草・海藻類・大豆

 

 

 

ちなみに成人女性に推奨される鉄の食事摂取基準は1日あたり10.5mgといわれており、主な食材に含まれている鉄の量は、豚レバー13.0mg/100g、あさり3.8mg/100g、パセリ7.5mg/100gとなっています。

「肉や魚類の鉄分がヘム鉄と呼ばれるのに対して、野菜の鉄分は非ヘム鉄といいます。体内への吸収率10〜20%というヘム鉄と比べて、非ヘム鉄は吸収率が2〜5%。もちろんどちらもバランスよく食べることが大事ですが、非ヘム鉄は体内への吸収がよくないので、以下のような鉄の吸収を高める栄養素と一緒に摂取すると、より効率よく摂り込めますよ」(窪先生)。

<鉄分の吸収を高める栄養素>
ビタミンC(鉄の吸収を高める)
カルシウム(鉄の吸収を高める)
ビタミンB群(造血を助ける)
良質のたんぱく質(血液中の赤血球やヘモグロビンの材料となる大切な栄養素)

 

 

 


「貧血の予防には、上記のような食生活の改善が大切です。すでに鉄欠乏性貧血にかかっている場合は、病院で鉄剤を処方してもらったり、鉄分などのサプリメントを利用するのもおすすめです」(窪先生)

話題の「隠れ貧血」にも注意

「最後にもう1点。今テレビの特集などでも取り上げられている"隠れ貧血"(潜在性鉄欠乏症)というものもあります。これは、ヘモグロビン濃度の値が正常であるのにもかかわらず、肌色が悪い、疲れやすい、めまい、肩こり、頭痛、食欲の低下、といった貧血と同じような症状が現れることをいいます。"隠れ貧血"は、通常、肝臓やひ臓、骨髄、など体内のさまざまな場所に保管されている"貯蔵鉄"が足りていないのが原因です。これは、ヘモグロビンではなく、フェリチンという値を調べれば知ることができます」(窪先生)。

女性は特にかかりやすい病気であり、QOLを下げてしまう厄介な「貧血」。いくらお手入れを頑張っても、肌色の悪さが目立ってしまってはがっかりですよね。「毎日のスキンケアで自分の鏡を見ることは、肌はもちろん体の不調を知るためにもとてもよいことです。外からのケアも頑張りながら、同時にインナーケアにも目を向けてみてくださいね」(窪先生)。

<取材協力>窪 麻由美(くぼ まゆみ)先生
順天堂大学医学部附属順天堂医院・産婦人科非常勤助教。順天堂浦安病院・女性アスリート外来にも勤務し、ハードな運動をこなす女性アスリートならではの婦人科系トラブルに着目。月経周期異常や栄養指導など、トータルで診療している。一児の母。

 

 

 

Text:Tomoko Minagawa